【書評】浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』あらすじ・感想&勝手にキャスト予想

2022年本屋大賞にノミネートされ、ミステリ小説界隈で話題を掻っ攫った浅倉秋成の『六人の嘘つきな大学生』

単なる就活を舞台にした小説ではありません。切り替わる視点とそれぞれの証言を知るうちに、何が真実なのか翻弄されます。何度も作者に騙されました。

とにかく早く真実が知りたくなる最高のミステリ小説です。

本記事では、作品の感想と簡単なあらすじ、そして2024年映画化予定のキャストを勝手に予想しています。

スポンサーリンク

あらすじ・書籍情報

あらすじ

超人気IT企業スピラリンクスの最終選考に残った6人の大学生たちが、グループディスカッションを行い、全員で内定を得ることを目指します。しかし、最終選考前夜に課題が変更され、6人の中から1人だけ内定者を決めることになります。グループディスカッション当日、謎の六通の封筒が発見され、開けてみると、中には「○○は人殺し」という告発文が!

次々と明かされていく6人の秘密。何が真実で、犯人は誰なのか。

就活を舞台にしたミステリ小説。

書籍情報

    • 発売:2021年3月(単行本)/ 2023年6月(文庫版)
    • 著者:浅倉 秋成
    • ジャンル:ミステリ・小説




感想 ‐日本の新卒採用は変わらないといけないか‐

えっ?ちょっと待って。あの時、あの人あぁ言っていたよね?

と、ついページを戻りたくなる瞬間が何度もあるくらい作者に振り回されました笑

就活の時期になると、何故かサークルの副幹事長が増えたり、親戚がたくさん亡くなるというのは今も同じ現象なのでしょうか。

これまで過ごしてきた生活の中から選りすぐりのエピソードを厳選し、多少(笑)脚色して、自分の将来がかかった面接で堂々とプレゼンする、日本独特の就職活動。

どんなに真面目に過ごしてきていても数分の面接の中でいかに自分の経験や考えをいい感じに話せるかで将来が決まるわけです。こんなの話上手の人が有利に決まっている、と当時から思っていました。

その後自分自身面接官として採用する側になった時、人を見ることの難しさを感じました。

どうしたらその数分で学生たちの本当のポテンシャルやスキルを見極め、会社とのマッチングを図れるのか。本当に難しい問題です。

この小説ではその難しさや、難しさゆえの歪みをうまく小説の中でいかし、描かれています。

先が気になる、読み返したくなる、自分の浅はかな固定観念に悔やみたくなる、とても面白い小説です。

ただ、元採用担当としては今の日本の採用手法についても考えさせれてしまい・・・。目の前にいる相手のいいところも悪いところも含めて理解した上で、お互いにとって最善の結果となる採用面接はどうやったらできるのでしょう。やはり欧米のようなインターン形式の採用手法も考えないといけない時期なのでしょうか。あー悩ましい。

この作品がノンフィクションになってもおかしくはない、そんな時代です。

勝手にキャスト予想

本作品は2024年に映画化がすでに決まっています!そこで勝手にキャスト予想をしてみました。(完全にただの趣味です)

2パターン考えました。①が本命で、②はあえて元子役を集めたパターンです。

皆さんはいかがですか?

  • 波多野祥吾(はたの しょうご)役:①細田佳央太 ②鈴木福
    少し若い俳優さんですが、演技力に定評があり、普通の大学生の雰囲気を上手に演じてくれそうだったので。②は福くんと愛菜ちゃんの再共演を単に見たいという願望です💦
  • 九賀蒼太(くが そうた)役:①Snowman 目黒蓮 ②加藤清史郎
    イケメン枠なので、①では独断と偏見でジャニーズを入れさせていただきました。②では、今ドラマ『最高の教師』で不良役を演じたこども店長に!
  • 袴田亮(はかまだ りょう)役:①眞栄田郷敦 ②濱田龍臣
    元野球部の体育会系キャラでガタイがいい方となるとなかなか今の若手俳優ではおらず、難しかったです。
  • 矢代つばさ(やしろ つばさ)役:①山本舞香 ②吉川愛
    小松菜奈がいいかなと思ったのですが年齢的に違うかと思い断念しましたが、エキゾチックな雰囲気で美しいお顔のお二人もピッタリかと。
  • 嶌伊織(しま いおり)役:①永野芽郁 ②芦田愛菜
    重要な役回りなので、人気かつ演技力のある二人を選出しました。
  • 森久保公彦(もりくぼ きみひこ)役:①佐久本宝  ②前田旺志郎
    今後名脇役になりそうなお二人。二人が森久保役を演じるのが一番目に浮かびました。

個人的には杉咲花ちゃんや北村匠海くんを起用したかったのですが、『法定遊戯』と丸かぶりしてしまうので避けてみました。

【映画化決定】五十嵐律人『法廷遊戯』あらすじ・キャスト予想・感想
2022年に映画化が発表された、リーガルミステリー小説『法廷遊戯』。 本記事では、あらすじ・書籍情報、気になるキャ...

まとめ

単行本が出た時から気になっていた作品が今年文庫化し、手に取りやすくなっています。

現代を生きる若者たちの葛藤をうまく描きつづも、ミステリとしての面白さ百点満点の作品。

あなたもきっとこの怒涛の伏線回収劇にのめり込んでしまうでしょう。

★こんな人におすすめ★
・大学生〜30代の就活経験者や就活予定者
・企業の人事採用担当者
・疾走感のある”今っぽい”現代的なミステリ小説を読みたい方




コメント

タイトルとURLをコピーしました