【書評】辻村深月『傲慢と善良』あらすじ・感想&勝手にキャスト予想

本屋大賞『かがみの孤城』の作者辻村深月さんの作家生活15周年記念作品『傲慢と善良』。

30代の私には痛いほどに刺さりました。自分自身ならもちろん周りに婚活をしている友人や知り合いがいる方ならきっと共感していただけるはず。

心に刺さる理由も含め本作品の感想と簡単なあらすじです。

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『傲慢と善良』とは ‐あらすじ・書籍情報‐

あらすじ

30代のカップル、架と真実。婚約をし結婚式の準備を進めている時、突然真実が失踪する。何の手掛かりもなく姿を消した真実の行方を探る中で、彼女の「過去」や「ほんとうの姿」がみえてくるー。

彼女はなぜ消えたのか。現代の恋愛を苦しいほど深く切り込んだ恋愛ミステリ小説。

書籍情報

    • 発売:2022年9月(文庫版)
    • 著者:辻村深月
    • ジャンル:恋愛・ミステリ・社会・小説




感想 ‐【”いいひと”いない問題】の解がエグい‐

心抉られます。

グサグサ刺してきます。

結婚適齢期といわれる20代後半以降、私の周りでもこんな恋愛の悩みをよく聞いたり自分自身も感じました。(女性目線)

”いい人”だけどピンとこないんだよね~。どっかにいい出会いないかな~

合コンもアプリもやっているけど全然”いい人”いないよ。もうだめだ・・

皆さんの周りにもにもたくさんいませんか?同じ悩みを抱えている方。

本作品を読んで、なぜそんな悩みを抱えてしまうかの答えが明らかにされた気がしました。

作品に登場する、結婚相談所の小野里さんの言葉。

ピンとこない、の正体は、その人が、自分につけている値段です。

ささやかな幸せを望むだけ、と言いながら、皆さん、ご自分につけていらっしゃる値段は相当お高いですよ。

辛辣・・・。

苦しくなりませんか?恥ずかしくなりませんか?自分たちの傲慢さに。

婚活市場では、はじめから恋愛対象としての有り無しを判断し、自分より低い値段の人から好意を「”いいひと”がいない」という言葉で片付けてしまう。。。

心の奥底で気づいていても、自分を守るために口にしていなかったことをグサグサと。

まぁ、その通りなんですが、はっきりと言葉にされると・・・笑

本当に辻村さんの鋭い心理描写には恐れ入ります。

勝手にキャスト予想

もし映像化するなら~と勝手にキャスト予想をしてみました。(完全にただの趣味です)

個人的には場面展開も多いので映画よりドラマがいいかなと思います。土ドラあたりをイメージしてキャスティングしてみました。

  • 西沢 架 役:藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)
    本人もお勧めしていますしぴったりかと。少しチャラついているデキる男というキャラクターにも違和感ありません。
  • 坂庭 真実 役:松岡茉優
    実年齢はもっと若いですが、演技も上手ですので「おとなしい箱入り娘」見てみたいです。黒髪ロングも似合いそうです。
  • 真実の母親 役:黒木瞳
    地方のいいおうちの過干渉な母親役。この方以外にいないでしょう。
  • 真実の姉 役:浅見れいな
    意志が強く現実的なワーママ。スタイリッシュで都会的な印象を持ったのでモデル出身の方が向いてそう。
  • 金居さん 役(真実の婚活相手):三浦貴大
    服に無頓着ないい人という絶妙な役にハマると思います。一番しっくりきました。

まとめ

書ききれないほど刺さるポイントが多い小説でした。

【”いいひと”がいない問題】以外にも

【彼氏がプロポーズしてくれない問題】【親の過干渉問題】など

巷の女性たちが話しているホットトピックをリアルに描いています。

辛くて苦しいけど共感もする。

一種の怖いもの見たさにぜひ一度手に取ってみてください。

★こんな人におすすめ★
・20代後半以降の恋愛・婚活中の人
・自分の恋愛は何も問題ないと自信がある男性
・20代30代の子供を持つ親世代

(おたちゅー妻)



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