映画『母性』の公開も楽しみですが、WOWOWでの連ドラ化も決定した湊かなえの話題作『落日』。
感想とドラマのキャスト予想をしてみました。
『落日』とは
あらすじ
新進気鋭の映画監督・長谷部香は新人脚本家・甲斐千尋に、映画の脚本の相談を持ち掛ける。その元となるのは、15年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた『笹塚町一家殺害事件』。そして事件が起きた小さな町、笹塚町は千尋の生まれ故郷でもあった。
判決も確定しているこの事件を、香はなぜ撮りたいのか。千尋はどう向き合うのか。事件を調べていくうちに、衝撃の真実にたどりつく……。
書籍情報
- 発売:2019年9月
- 著者:湊かなえ
- ジャンル:ミステリー・小説
感想
見事な伏線回収に唸りました。どんどん読み進めてしまう。読者への惹きつけ方はさすがです。
ただ私自身あまりミステリー小説に深い意味やテーマを求めないタイプなので読後の感想として特段心に響いたものはありませんでした。
しかし読後、湊先生のインタビューでこの作品のタイトルに込められた意味を知りました。
再生というか、最後には未来が見えるような話が書きたいと思っていました。「落日」という言葉には没落するようなイメージがありますが、沈むからこそ新しい日が昇るのだと思います。
(引用:デビューより11年! 新作『落日』で新たな境地に至った湊かなえさん。ミステリーの枠を越えて心揺さぶる最新巻を語る! | インタビュー | Book Bang -ブックバン-)
この意味を知った上で、改めて作品について考えてみました。
長谷部香は父の真実を、甲斐千尋は姉の真実を知ることで、二人とも次への一歩を踏み出すことができました。
私達は目をそむけたくなる事実に直面するとつい逃げたくなったり、その事実がなかったかのようにふるまってしまいがちです。しかし、その裏にある真実を知った時、もしかしたら希望が見えるかもしれない。そんな絶望からの光(救い)がこの小説には込められていたのだと、思いました。
今何か辛い状況にいる人がこの本を読むことによって前を向くきっかけになるかもしれません。ミステリー小説といえども、侮ってはいけませんね。(反省)
WOWOW連ドラ キャスト予想
勝手に脳内キャスティングしてみました。予想は当たるのか?!笑
- 甲斐 真尋 役:波留
程よくさえない主人公を演じさせるなら波留が適任。もう少し前だったら井上真央。 - 長谷部 香 役:倉科カナ
大きな目で真尋に迫る姿が目に浮かびます。黒のワンピースとか着て河瀬直美監督のイメージ。 - 立石 沙良 役:福本莉子
美少女ならこの子! - 神池 正隆 役:柄本佑
何気にキーパーソンとなる彼は演技派の彼にお願いしたい。神妙になりすぎない明るめの演技で。 - 立石 力輝斗 役:高橋文哉
単純に私の最近のお気に入り君です。顔がきれいなのでぴったりかと。
まだ映像化は決まっていませんが、辻村深月の『傲慢と善良』も勝手にキャスト予想しています。
まとめ
ミステリーとしての面白さはもちろん前向きな未来を感じられる素敵な作品です。
WOWOWでのドラマ化ということなので、作品のタイトルにもある『落日』、丘から見える夕日をどう美しく描くのか期待ですね。(WOWOWは映像技術が地上波よりも優れているように感じますので)
具体的な配信日が決まり次第こちらのブログも更新したいと思います。
読書の秋。ぜひ読んでみてください。
(おたちゅー妻)
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