「静かで控えめ」は賢者の戦略。
誰に対してもフレンドリーに接し、アクティブな人が多いイメージのある外向型社会アメリカ。そこで15年以上に渡り政府機関やメジャーリーグ等、様々な業界で活躍された台湾出身のジル・チャン氏の著作である「静かな人の戦略書」についての感想です。
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物静かで口数が少ない、大人しいと人から言われている人におススメの本
本書は物静かで口数が少ない。人からよく大人しいと言われる人。もしくは上司、部下や家族等、身近な関係者にそういう人がいる人におススメの本です。
例えば、知り合いのいないパーティーや新しい職場等でなかなか自分から声を掛けられず、一人でいることが多い。またはよく人から「静かだね」と言われることが多い。そんな人は、この本を手に取って読むと思わず膝を叩く箇所が多い本。
本書を読むと分かるのだが、著者は非常に内向的な方で、物静かな人だということが伝わってくる。
口数が少なく物静かで、初対面の人とは緊張してうまく話せず、人前で話すのも大の苦手で、雑談もストレス。そんな人は一見すると華々しいイメージのあるリーダーに向いていないように印象を抱いている人もいるかもしれないが、そんなことはない。ビルゲイツやイーロン・マスクだって自身が内向型であると語っている通り、世の中で大成功を収めている人は内向型が多い。だから、自身が物静かで人前に出るのが苦手な内向型であっても、自信を持て!というのが本書の超ざっくりした内容。
著者が最もこの本を通じて伝えたい内容は「内向型であっても、外向型であっても、自分の個性を大切にして、安全地帯(コンフォート・ゾーン)から一歩踏み出すこと。他人に貼られたレッテルのせいで、自分の可能性を狭めてはいけない」ということ。本書を読めばそれがよく分かる。
本書のポイント
- 内向型の人は無理に外向型人間として無理に振る舞う必要はない。自分自身の強みや個性を知り、それを活かす方法を考えることが大切。
- 外向型の人を仲間にして、お互いを補い合う。
- 内向型の人は良きリーダーになれる素質がある。
感想
「彼を知り己を知れば百戦危うからず」
この本を読んで真っ先に頭に浮かんだ言葉。孫氏が紀元前5世紀に兵法書で記したこの一節が現代でも不変でより重要だと、この本を読んで感じました。
本書の内容を自身に置き換えて読んでみると、ここまで自身は内向型な人間ではないとは思うものの、一部で思い当たる節もある(本書のテストでは私は内向型の傾向が強かったです)。
本書でも述べられていることだが、完全に内向型、逆に外向型という風にハッキリと自身の特徴を述べられる人も少ないのではないかと思う。誰しもどちらの特徴にも当てはまる部分があって、たまたま自身は内向型の特徴が濃いとかその逆だったりするだけではだろうか。
したがって、自分自身を何かにカテゴライズしてラベルを貼って決めつけてしまうのはよくないと思った。
一見すると、内向型とか外向型とかラベリングすることが楽しくなることがあるかもしれないが、そうではなく自分自身の強みや苦手なことを認識し、それを活かす方法を模索し、質を高める努力をすることがいかに大切なことかをこの本を通じて再認識した。
人見知りでシャイな私にとっては示唆に富む一冊だった。
どんな人におススメ?
著者のような内向型の人にはスキルとして役に立つ部分もあるかと思う。
ただ本書に書いてある経験談に必ずしも一致や共感するということが少ない人には、本書の戦略的な側面(対人関係の立ち回り方など)については参考程度に留まると思う。
また、自分は外向型という人も本書を手に取り、内向型の人の考えや特徴を知り、マネジメントに役立てるなどの活用方法があるのではないだろうか。
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